イベント詳細

第97回『墨東の路地を巡って』

~濃密な生活空間から生まれる庶民文化を学ぶ~

--このイベントは終了しました--


2013年11月16日(土)開催

路地空間

路地空間

今回は、墨東を北上した向島地域を歩きます。この地は江戸から明治にかけては農村地帯で、水と緑の織りなす風景は多くの文人墨客に愛され、町人文化の結晶ともいわれる「向島百花園」は今も多くの人に愛されています。しかし20世紀に入り大洪水、震災、戦災を経て、この街は「木造密集市街地」へと大きく変容をとげ、様々な「路地空間」が出現しました。「路地」は、ただ狭い道ではなく、両側の家の開口部が直面した、通行路であるとともに各戸の動作空間、モノ置き場であり、丹精された緑が庭として機能するなど、重層した機能を持つ濃密な共同生活空間です。この地区は、都内でも最も災害危険度が高いといわれていますが、下町特有の結束力の堅い地域コミュニティが存続し、自己防衛を行ってきました。また、住民の日常生活を支える商店街も活気があり、住みやすく健全な地域コミュニティを支えています。

 今回はこの地域の路地空間を巡り、生活者の知恵から生まれた「地域美産」とそれを育んできた地域コミュニティについて「五感」で考えてみたいと思っています。またこの地に残る江戸文化にも触れてみたいと思っています。

向島百花園

向島百花園

会古路地

会古路地

 

【探訪予定コース】

京成押上線曳舟駅(下り線改札出口)→京島地区長屋・路地・新しいコミュニティ住宅・域防災施設などの見学→キラキラ橘商店街で対面買い物の体験、(成果品は後の交歓会へ)→東向島の路地空間と「路地尊」等の地区防災の美産見学→墨東の雰囲気を残す白鬚神社・旧墨堤之道→向島百花園(庭園見学後、園内「御成座敷」で参加自由の交歓会を予定)


後藤 元一

1943年東京都生まれ。九州・名古屋・札幌の学校で環境デザインを教えながら、全国各地の地域コミュニティづくりのお手伝い。最近は各地の地域デザイン活動の発掘を楽しむ。芸術工学会名誉会員・顧問。


詳しくは当会発行の地域美産研究会Newsをごらんください。

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